竹内一郎 『人は見た目が9割』
- 竹内 一郎
- 人は見た目が9割
良く売れている本のようなので購入。
タイトルの剥き出しなインパクトが、売れている最大の要因のように思えるが、内容自体は、タイトルほどに強烈なものではなく、少し温度差がある。
要するに、タイトルの勝利に尽きるとでもいうべき本。
本書中で紹介しているある調査によれば、他人から受け取る情報の割合について、話す言葉の内容は、一割にも満たず、そのほとんどは、相手の顔の表情、声の質、大きさ、テンポなどによるものであるという。
特に顔の表情は、五十五パーセントを占めている。
言語によるコミュニケーションよりも、非言語(ノンバーバル)コミュニケーションこそが、対人関係の決め手になるということです。
つまりは、タイトルどおり、「見た目」が全てです。
身も蓋もありませんがこの際、、「見てくれよりも中身が大切」、「顔よりも心」といった偽善的な匂いのする建前論を粉々に粉砕して、現実を直視し、声高に叫ぶべきなのかもしれません。
「見た目」が全てなのだと。
しかし、この論でいくと、ビジネスマンの間で、身に付けるべきスキルとして挙げられているロジカル・シンキング(論理的思考能力)とやらは、ルックスの前には無力ということになるのでしょうか。
となれば、七面倒な言葉の説得力を磨くよりも、せっせと外見や振舞いに金と時間と努力を費やした方が、出世の上でも上策なのかもしれません。
もっとも、外見を良くするといっても限度があるし、もともと土台が悪ければ、手の施しようもないわけですが。
切れ味: 可