野口悠紀雄  『「超」英語法』 | 読書ジャンキーの本棚

野口悠紀雄  『「超」英語法』

野口 悠紀雄
「超」英語法

かつて、ベストセラーになった著者の『「超」勉強法』、『「超」勉強法/実践編』の中で取り上げた英語学習法を、無理やり引き延ばして一冊にまとめたような本。

したがって、『「超」勉強法』などで述べたことと重複していることが多く、内容的には薄いと言わざるをえない。


が、これまで何度も、英語を学ぼうと決心したはいいが、その都度、速やかに挫折してしまった人や、英会話学校に高い金を払って入学したものの、ほとんど通うこともなく、一向に英語ができないままの人が、今後、どうしても英語を使う必要性が生じているような場合には、参考になるかもしれない。


著者の言い分は明快である。

まず、なぜ、自分にとって、英語が必要なのか、それも、どのような分野の英語を、どの程度のレベルまでマスターすることが必要なのかをはっきりさせること。

これなくして、漠然と英語が話せたらいいな~、という理由では、あえなく討死してしまう。

要するに、目的意識を明確にせよ、ということで、当たり前の事を言っているだけなのだが、その当たり前が欠如している人があまりに多いということなのであろう。

実際、本屋に行けば、いまだに語学書コーナーは、かなりの店頭スペースを確保しているし、英会話学校の広告も依然として多い。

これらは、漠然としたまま英語を齧っては挫折した人たちが、いまだ量産化されていることの反映に他ならない。


また、英会話学校についていえば、著者の見解では、リスニングができれば、話せるのだから、何も高い金を払って通う必要はないというものだ。

ネイティブの早さを聴き取れるということは、英語で思考しているわけであるから、たしかに話せるだろうし、インターネットにしろ、CDにしろ、無料または安価に購入できるリスニングの教材には事欠かない。


他にも、いろいろと述べているが、結論としては、英語の習得には、質量ともに、かなりの努力を必要とすることは避けられない、つまりは短期間に見る見る上達する魔法の杖などは存在しないということで、その意味からすれば、タイトルと執筆内容との間には、少し落差があるかもしれない。



切れ味: 可


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