新野 剛志 『八月のマルクス』
- 新野 剛志
- 八月のマルクス
江戸川乱歩賞受賞作のハードボイルドミステリー。
苦い過去を持った主人公の一人称ハードボイルド小説は、それこそ、手垢がつくほどに書き尽くされている。
しかも、このジャンルの読み手は、熱狂的ともいえる愛好者が多い。
だから、よほど、物語に意外性があるか、文体が新鮮でなければ、支持されるのは難しい。
特に、新人作家にとっては、相当に高い壁だ。
乱歩賞受賞作ではあるものの、この作品も、そのハードルは越えられなかったというのが実感だ。
原寮は例外中の例外なのだろう。
切れ味: 不可
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